血圧測定
高血圧による自覚症状(体の不調)はほとんどありませんが、悪化すると脳梗塞などの危険な病気を引き起こします。
なるべく早い段階での予防と改善がとても重要です。
この記事ではガイドラインやモリンガに関する最新の研究データなどを元に、自分でできる対策方法をわかりやすくご紹介します。
また、近日中に改定される高血圧やその予備軍の血圧基準値についても解説します。

高血圧とは

血圧と心臓の働き
そもそも血圧とは、血液が血管の壁に与えている圧力のことです。
この圧力が高い状態を高血圧、もしくは高血圧症と呼びます。
まずは高血圧と診断される基準値やその原因症状について、簡単にご紹介します。

高血圧の数値と基準値

身体の中では、心臓がポンプの役割を果たし、血液を送り出しています。
心臓が血液を送り出すときの血圧を収縮期血圧(=最高血圧)と呼び、逆に心臓が元に戻る時の血圧を拡張期血圧(=最低血圧)と呼びます。
つまり、血管の壁に血液がぶつかる圧力が一番強い時を最高血圧、一番弱い時を最低血圧と表現しています。
高血圧の基準は下記のとおりです。

測定方法 最低血圧 最高血圧
診察室血圧 90以上 140以上
家庭血圧 85以上 135以上

診察室血圧とは文字通り、診察室での血圧測定の値です。
家庭血圧とは自宅で測定した血圧のことで、診察室での値よりも低い傾向があるため、基準値が異なります。
参考:高血圧治療ガイドライン2014【日本高血圧学会】

同じ高血圧の人でも、数値によって重症度が変わります。
また、基準値を下回っていても、高値血圧の場合は、注意が必要です。

血圧状態 最低血圧 最高血圧
正常血圧 80未満 120以下
正常高値血圧 80未満 120-129
高値血圧※ 80~89 130-139
高血圧 90以上 140以上
Ⅰ度高血圧 90-99 140-159
Ⅱ度高血圧 100-109 160-179
Ⅲ度高血圧 110以上 180以上

※2014年のガイドラインでは、上記の「高値血圧」は「正常高値血圧」と表現されていました。
しかし、正常高値血圧だった人の多くが高血圧になる傾向があるため、2019年版(審議中)では、高値血圧という表記に変更される予定です。

参考:高血圧治療ガイドライン2019の草案,高血圧の基準値は変えず、降圧目標を変更する方向へ【第41回日本高血圧学会総会】

高血圧の原因と症状

高血圧症の95%は原因が特定できず、遺伝や生活習慣などの複合的な要素が重なって起きていると考えられています。
また、残りの5%は特定の病気が高血圧の原因となっています。
参考:高血圧症【e-ヘルスネット 厚生労働省】

高血圧症の自覚症状はほとんどなく、健康診断などの血圧測定によって気づくことがほとんどです。
もしくは、症状が進み重大な病気(狭心症・心筋梗塞・心不全・脳梗塞・脳出血など)を発症して、初めて気づくケースもあります。
そのため、症状がないから大丈夫だと考えるのではなく、症状を発症する前に進行を抑え、改善することがとても重要です。

高血圧症の予防と改善方法

予防と改善
高血圧は生活習慣の見直しによって、予防と改善が可能です。
高血圧症には薬による治療も有効ですが、その場合も生活習慣の見直しを同時にすることが医師から求められます。
ここでは、高血圧治療ガイドライン2014の内容に従って、高血圧症の予防と改善方法について5つのポイントをご紹介します。

  • 減塩(6g/日未満)
  • 降圧効果のある栄養素の摂取
  • 適正体重の維持と運動
  • 節酒
  • 禁煙

減塩(6g/日未満)

日本人の塩分摂取量の平均は約10g/日ですが、高血圧の方は6g/日未満に抑えることが推奨されています。
1日6g未満というのは、すごく厳しい数字です。
例えば、カレーライスには約2~3g、隣に添える福神漬には約1gの食塩が含まれています。
このように塩だけでなく、味噌や醤油などの調味料、加工食品にも注意しましょう。

過度な味付けは控え、素材をそのまま味わうことが減塩に繋がります。
最近では、薄味で減塩を意識した調味料や加工食品も多く販売されているので、上手に利用するのも良いと思います。

一般的な食品表示では「食塩」ではなく、「ナトリウム」の量を表示しています。
その場合は、下記の式で食塩量に換算してください。
[ナトリウム(mg)]×2.54÷1,000=食塩相当量(g)
[ナトリウム(g)]×2.54=食塩相当量(g)

降圧効果のある栄養素の摂取

ガイドラインの中では、降圧(血圧を下げる)効果のある栄養素として、下記の栄養素が取り上げられています。

  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 食物繊維
  • n-3多価不飽和脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)
  • タンパク質

栄養素は単体で取るよりもバランスよく取ることで、相乗的に作用し、より効果が期待できます。
これらの栄養素は、野菜や果物、低脂肪の乳製品に多く含まれています。

モリンガ一言メモモリンガには、上記のカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、n-3多価不飽和脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)、タンパク質がすべて含まれています。
栄養は食事での摂取が基本ですが、不足しがちな人は、モリンガを活用して不足分を補ってみてはいかがでしょうか。

適正体重の維持と運動

ガイドラインでは、BMI値25kg/㎡未満が推奨されています。

BMI値は下記の式で計算してみてください。
体重(Kg)÷{身長(m)×身長(m)}
例えば、体重50kg、身長160cm(=1.6m)の人の場合は、50kg÷(1.6 m×1.6 m)=19.5 kg/㎡です。

適度な運動は、適正体重にするために効果的です。
さらには、有酸素運動自体に降圧効果が認められています。
ただし、重度の高血圧や他の症状を抱えている場合は、運動自体が危険なので、事前に必ず医師に相談してください。

節酒

飲酒習慣は血圧を上げる要因になります。
ガイドラインでは、男性がエタノール20〜30mL/日以下、女性は半分の10〜15mL/日以下を推奨しています。
主なお酒に換算すると下記のとおりです。

お酒の種類 男性 女性
日本酒(180ml) 1合 0.5合
ビール中瓶(500ml) 1本 0.5本
焼酎(180ml) 半合弱 1/4合弱
ワイン(200ml) 2杯弱 1杯弱

高血圧だからといって無理に禁酒する必要はありませんが、飲み過ぎには注意しましょう。

禁煙

ガイドラインでは、喫煙による血圧上昇については諸説(賛否)あるとしています。
しかし、高血圧にともなう心血管病予防という点では、禁煙を強く推奨しています。
つまり、禁煙による高血圧の改善効果は不明ですが、高血圧が引き起こすもっと危険な病気の予防には効果的だということです。

モリンガと高血圧の研究

モリンガ
最後にモリンガと高血圧について、海外の論文を紹介したいと思います。

モリンガに含まれるタンニン、フラボノイド、サポニン、アントラキノン、アルカロイドなどのフィトケミカルが降圧作用を有しています。(中略)
モリンガの葉をそのまま摂取すると、含有する多くのフィトケミカルが連携し、より効果を発揮します。
引用元:Effect of Moringa oliefera leaves on blood pressure in hypertensive patients. 【Ind J Clin Anat Physiol. 2018;5(3):350-352.】

※モリンガは健康を補助的にサポートする食品です。薬のような効能効果は期待できません。

文中のフィトケミカルとは日本ではファイトケミカルと呼ばれることもあります。
ポリフェノールなどもフィトケミカルの一種です。
フィト(=植物)とケミカル(=化学物質)の造語で、植物に含まれる化学物質のことを表し、第七の栄養素として注目されています。
今回ご紹介した論文では、モリンガにフィトケミカルが豊富に含まれていて、このフィトケミカルに降圧作用があるという可能性が示唆されたという研究でした。

まとめ

高血圧の基本情報やモリンガの研究データについて紹介しました。
高血圧を予防し、改善するためには生活習慣の見直しが重要です。
特に下記のポイントを改善することがガイドラインで推奨されています。

  • 減塩(6g/日未満)
  • 降圧効果のある栄養素の摂取
  • 適正体重の維持と運動
  • 節酒
  • 禁煙

ガイドラインを完璧に満たすのはなかなか難しいかと思いますが、できるところからひとつずつ取り組んでみて下さい。