モリンガは90種類以上の栄養素を含む植物です。
そうは言われても、日本では知名度が低いし、最近よく耳にする「スーパーフード」の効能って怪しいですよね。
本当に健康増進や美容効果のある食品なのか、疑問に思っている方がほとんどではないでしょうか。
そんなモリンガを徹底的に解説します。
この記事を読むと、どうしてモリンガが世界中で注目されているのか、その魅力がよくわかります。
また、モリンガを飲む前に知っておきたい注意事項や副作用についても簡単に紹介します。
モリンガって何?
モリンガとは、東南アジアやアフリカで活発に栽培されている熱帯性・亜熱帯性の植物です。
別名で、マルンガイやドラムスティックと呼ばれることもあります。
非常に生命力の高い植物なので、健康食品や美容食品として欧米で話題になっています。
東南アジアでは、昔から庭先にモリンガが生えていて、料理のスパイスとして活用されてきました。
セレブや有名人が愛用する史上最強の植物
ミランダ・カーさん(=オーストラリア出身のファッションモデル)が飲んでいると発言した頃から、日本のテレビや雑誌でも徐々に取り上げられるようになりました。
そのため日本では、ダイエットや美容効果のある食品として、若い女性の間で話題になっているようです。
一方、海外では全世代を対象にした健康食品として、さまざまな目的で飲用されています。
国連機関がおすすめするスーパーフード
モリンガの栄養価は非常に高く、飢餓撲滅の切り札として、国連機関から推奨されています。(※1)
国連の世界食糧機関は、飢餓と戦う世界最大の人道機関です。
その世界食糧機関が、モリンガの栄養価の高さについて称賛しています。
食料を確保できない貧困地域では、国連機関主導でモリンガの植林活動が行われています。
※1:Moringa【Food and Agriculture Organization of the United Nations】
モリンガの魅力
1種類の植物であるモリンガには、90種類以上の栄養素が含まれています。
そのため海外では、薬箱の木や奇跡の木と称されることがあります。
もちろんモリンガは食品なので、薬のような効果効能はありません。
しかし現代人にとって、偏りなく食事を摂ることは難しく、慢性的に栄養不足が続いている傾向にあります。
モリンガによって90種類以上の栄養素を一度に補うことで、健康増進や美容効果など、現代人を力強くサポートします。
朝からスッキリ快調
モリンガは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいます。
その他にもマグネシウムやクロロフィルなど、不足しがちな栄養素を補うことができます。
ぐったりを抱え込まずに、スッキリ快適な毎朝を送りましょう。
元気にいつまでも若々しく
健康維持を目的に、赤ワインを飲んでいる方もいるのではないでしょうか。
身体に溜まる活性酸素は、身体をサビさせる原因のひとつです。
モリンガには赤ワインの8倍のポリフェノールが含まれています。
さらにポリフェノールだけでなく、46種類の抗酸化物質が含まれています。
抗酸化物質を補って、年齢に負けない元気で若々しい気持ちを持ち続けましょう。
海外モデルも絶賛の美容効果
芸能人やモデルがモリンガを飲んでいるのは、美容効果があるからです。
ビタミンやミネラル、アミノ酸が豊富なモリンガは、美容効果バツグンです。
特定の栄養素を抽出したサプリメントは、栄養が偏ってしまったり、吸収率が低かったりする場合があります。
一方でモリンガは食品なので、こうした弊害もありません。
ムズムズをおさえる抗炎症物質
モリンガには36種類の抗炎症物質が含まれています。
抗炎症物質と聞くと、アレルギーやアトピーに使うステロイド剤など、強い薬を想像するかもしれません。
しかし、モリンガの抗炎症物質は食品に含まれる天然成分です。
魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸も抗炎症物質のひとつです。
オメガ3系脂肪酸だけでなく、あわせて36種類の抗炎症物質がモリンガに含まれています。
熟睡をサポート
不眠症の原因はさまざまですが、日々のストレスから神経が疲れているのかもしれません。
GABAやトリプトファンには、疲れた心を癒やし、リラックスさせる働きがあります。
あまり関係なさそうですが、こうした栄養素の不足が睡眠の質に悪影響を与えている可能性もあります。
質の高い睡眠は、健康的な生活習慣と栄養バランスによってサポートできます。
降圧作用のある栄養成分
高血圧治療ガイドラインによると、血圧が高めの方は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、n-3多価不飽和脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)、タンパク質などの栄養素を摂ることが推奨されています。
栄養は食事で摂るのが基本ですが、どうしても足りない場合はモリンガなどの健康食品で補ってみてはいかがでしょうか。
休肝日と栄養補給
二日酔いの予防にはシジミやウコンなどが有名ですが、アルコールを代謝(解毒)するにはアミノ酸やビタミンが不可欠です。
お酒の席が続いたり、肝機能が弱っていたりする場合は、しっかりと栄養を補給することが重要です。
健康的なダイエットをサポート
モリンガは90種類以上の栄養素を含んでいるので、健康的なダイエットの強い味方です。
痩せたけど肌がボロボロなんてことにならないためにも、ダイエット中にしっかりと栄養を補給する必要があります。
また、モリンガスムージーで1回の食事を置き換えるダイエット方法(置き換えダイエット)も話題になっています。
カロリー制限は痩せるためにとても重要ですが、やり方を間違えると健康を害してしまいます。
ただ痩せるだけでなく、キレイに引き締まった魅力的なボディを実現しましょう。
浄化作用
モリンガの種の粉末と、汚れた水を混ぜたところ、水がキレイになったという実験データがあります。
この結果から、モリンガに含まれるクロロフィルというフィトケミカルには、有害な毒素を絡め取るデトックス(解毒)効果があるのではないかと期待されています。
モリンガのこの浄水作用は、汚水地域での環境改善に活用できないか研究が進められています。
モリンガの副作用と注意事項
栄養価のとても高いモリンガですが、その副作用について示唆されたことがあります。
かなり古い情報ですが、厚生労働省が妊娠中のモリンガの摂取について注意喚起をしました。
一方で、国連の世界食糧機関は、妊娠している母親や授乳中の母親、乳児によるモリンガの摂取を推奨しています。
どちらの情報を信頼すべきなのかを判断するのは難しいですが、少しでも不安を感じる方はモリンガの摂取を控えることをおすすめします。
気になる場合は、医師に相談してから飲むようにして下さい。
モリンガと糖尿病の注意点
糖尿病や高血糖を気にしてモリンガを飲んでいる方は、お薬との相互作用に注意して下さい。
モリンガは薬ではなく食品ですが、血糖値を下げるという研究データがあります。
そのため、薬と併用して過剰に摂取すると、血糖値が下がりすぎてしまう可能性がゼロではありません。
モリンガの栄養成分
モリンガは「薬箱の木」や「奇跡の木」と呼ばれることがあります。
また、インド伝統医学のアーユルヴェーダでも、取り上げられています。
インドでは、モリンガは300の病気を治すと伝承されているそうです。
そんなモリンガの栄養価について、ひとつひとつみてみましょう。
アミノ酸は米酢の97倍
モリンガは植物ですが、その約30%がタンパク質でできています。
このタンパク質を構成するのがアミノ酸です。
モリンガには米酢の97倍のアミノ酸が含まれています。
さらに注目すべきは、そのバランスです。
モリンガは必須アミノ酸をすべて含む19種類のアミノ酸を含有しています。
必須アミノ酸が大切なのは言うまでもありませんが、非必須アミノ酸にも重要な働きがあります。
例えば、モリンガには発芽玄米の22倍のGABA(ギャバ)が含まれています。
GABAはガンマアミノ酪酸と呼ばれる天然アミノ酸のひとつで、「抗ストレス作用」があります。
そのリラックス効果が注目され、極限状態で戦うアスリートの中にもGABAを活用している人がいます。
ポリフェノールは赤ワインの8倍
モリンガが含有するポリフェノールの量は、赤ワインの8倍です。
ポリフェノールは、動脈硬化の予防や活性酸素の無害化に効果があるとされています。
さらにポリフェノールだけでなく、46種類の抗酸化物質を含んでいます。
食物繊維はレタスの28倍
見た目からもわかりますが、モリンガは大量の食物繊維からできています。
その含有量はレタスの28倍に匹敵するほどです。
さらに、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を一度に摂ることができます。
近年では食物繊維を第6の栄養素として、その必要性がより強調されています。
ビタミン・ミネラルが豊富
モリンガには、ビタミンA、B1、B2、B3、B6、B7、C、D、E、Kなど13種類以上のビタミンが含まれています。
また、ビタミンだけでなくミネルの含有量も豊富です。
ほうれん草の25倍の鉄分、牛乳の17倍のカルシウムなど、7種類の必須ミネラルと8種類の微量ミネラルをバランスよく含んでいます。
「貧血=鉄分不足」というように、症状と栄養素を1対1で考えるのは正しくありません。
例えば、鉄分はビタミンCと一緒に摂ることによって、体内での吸収率が高まります。
逆に言えば、ビタミンCが不足すると、十分な鉄分を摂っていても貧血になってしまいます。
つまり、ビタミンやミネラルは単体での量よりも、バランスよく摂ることが重要です。
モリンガがスーパーフードとして優れているのは、モリンガひとつで90種類以上の栄養素を一度にバランスよく摂ることができる点です。
実はモリンガだけで、1日に必要な栄養素の大部分が摂取できると言っても過言ではないほどです。
こうした背景もあって、モリンガは国連機関から飢餓撲滅の切り札として期待されています。
まとめ
モリンガは90種類以上の栄養素を含む植物です。
注目すべきは、モリンガだけで人間が必要とするほとんどの栄養素をまとめて摂取することができる点です。
サプリメントを飲んでも効果がないのは、特定の栄養素を抽出・合成して人工的に作っているからです。(吸収率の低さや粗悪な添加物が原因の場合もあります。)
「貧血=鉄」、「肌荒れ=ビタミンC」という単純な対応ではなく、複数もしくは数十種類の栄養素が相互に協力して働いています。
特定の症状のときに、自分に不足している栄養素を特定するのは非常に難しいことです。
本来は毎日バランスよく計算して、食事を準備すべきなのかもしれません。
しかし、好きなものを食べたり、たまに便利な外食や加工食品を利用したりするのも、仕方のないことです。
むしろ食事は生活の質を高める上で欠かせない楽しみのひとつですよね。
そんなときは、食事で不足する栄養を補うためにモリンガを利用してみてはいかがでしょうか。
ただし、妊娠中の方や特定の薬を飲んでいる方は医師と相談して、飲用を検討した方がよいでしょう。