糖尿病・高血糖とモリンガ
「糖尿病/高血糖だからモリンガを飲んでいる」という方がいらっしゃいます。
モリンガは薬ではなく食品ですが、特定の条件に当てはまる場合は、注意してほしいことがあります。
また、糖尿病や高血糖の検査や症状、予防や改善方法などについてもわかりやすくご紹介したいと思います。

モリンガの注意事項

モリンガには血糖値を下げる働きがあるといくつかの研究で示唆されています。※1,※2
糖尿病/高血糖で血糖値を下げる薬インスリン注射をしている方は、注意して下さい。
薬や注射の作用とモリンガによる働きが重なって、血糖値を必要以上に下げてしまう可能性が0ではありません。
糖尿病/高血糖で上記の治療を受けている方は、必ず医師と相談した上でモリンガを飲むようにして下さい。
医師の判断によっては、モリンガを飲むことを中止して下さい。

参考:モリンガと血糖値の研究データ

30人の女性を対象にした実験※1
期間:3ヶ月間
方法:毎日7gのモリンガパウダーをとり、空腹時血糖値を測定。
結果:空腹時血糖値が平均で13.5%減少した。
※1:Effect of supplementation of drumstick (Moringa oleifera) and amaranth (Amaranthus tricolor) leaves powder on antioxidant profile and oxidative status among postmenopausal women【Journal of Food Science and Technology】

糖尿病の17人と健康な10人を対象にした実験※2
期間:2日間
方法:20gのモリンガパウダーをとる場合と、とらない場合で食後の血糖値を比較
結果:モリンガパウダーをとったほうが、食後の血糖値が低下した。

血糖値とモリンガパーダーのグラフ
糖尿病患者とモリンガパウダーのグラフ

※2:Effect of Moringa oleifera Leaf Powder on Postprandial Blood Glucose Response: In Vivo Study on Saharawi People Living in Refugee Camps.【Nutrients】
(図の日本語はモリンガ生活で追記)

糖尿病と高血糖の基礎知識

糖尿病と高血糖の基礎知識

「血糖値が高い」=「高血糖」

血液中の「ブドウ糖」の割合を「血糖値」という言葉で言い表します。
つまり「血糖値が高い」、「血糖値が低い」というのは血液中のブドウ糖の量が、多いか少ないかを表した言葉なのです。
そして、「高血糖」とは「血糖値が高い(ブドウ糖の量が多い)」状態のことです。

糖尿病になる原因と高血糖

わたしたちは、インスリンというホルモンの働きで、血液中のブドウ糖を体内に取り込み、エネルギー源として使っています。
糖尿病は、このインスリンというホルモンの分泌が少なかったり、働きが不十分だったりするために、血液中の糖を体内に取り込めず、高血糖の状態が続いてしまう病気のことです。

参考:1型糖尿病と2型糖尿病
1型糖尿病はインスリンをほとんど、もしくはまったく作れない病気です。
2型糖尿病はインスリンの分泌量が少ない、もしくは働きが悪い病気です。
2型糖尿病は生活習慣の乱れなどが重なって起きることが多々あります。
糖尿病患者の9割以上が2型糖尿病です。

糖尿病/高血糖の症状

糖尿病/高血糖の自覚症状は少なく、状態が悪化してから気づくケースが多いです。
状態が悪化してしまうと、合併症(神経障害、網膜症、腎臓障害、動脈硬化)を引き起こすことがあるので大変危険です。

糖尿病/高血糖の初期症状※3

  • 疲労感
  • 皮膚が乾燥して痒い
  • 手足の感覚が低下する、または、チクチク指すような痛みがある
  • 感染症によくかかる
  • 頻尿
  • 目がかすむ
  • 性機能の問題 (ED)
  • 切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい
  • 空腹感やのどの渇きがひどくなる

※3:糖尿病とは?原因と症状(初期症状)【知りたい!糖尿病】

糖尿病/高血糖の検査

糖尿病と高血糖の検査
糖尿病を初期症状から発見することは難しいです。
自覚症状がある場合は、すでに状態がかなり悪化している可能性もあります。
そのため、糖尿病になる前の段階で早期発見することが重要です。

糖尿病/高血糖の検査方法と検査数値

糖尿病の検査には多数の方法で総合的に判断する必要があります。
一般的な健康診断の採血では、空腹時の血糖値ヘモグロビンA1c(HbA1c)の値を測定していることが多いです。

空腹時血糖値の見方

  • 110mg/dL未満:正常値
  • 110〜125mg/dL:境界ライン(糖尿病予備軍)
  • 126mg/dL以上:糖尿病型

※空腹時血糖値とは、10時間以上食事や糖分の含まれた飲み物を取っていない状態で測定する血糖値のことです。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)の見方

  • 6.0%未満:正常値
  • 6.0%〜6.4%:境界ライン(糖尿病予備軍)
  • 6.5%以上:糖尿病型

※血液中のヘモグロビンと糖が結びついている割合を測定することで、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖を判定できます。

空腹時血糖値とヘモグロビンA1c(HbA1c)の値が、糖尿病型に該当すれば、糖尿病と診断されます。
ただし、糖尿病はこれだけではなく、複数の検査や問診から総合的に判断する必要があります。
例えば、空腹時血糖値が正常値でも、食後の血糖値が異常となるケースがあります。

食後高血糖(血糖値スパイク)の検査方法と検査数値

食後の血糖値が高い状態のことを食後高血糖といいます。
健康診断で調べる「空腹時血糖値」ではわからないので、見逃してしまうケースもあります。
食後高血糖は「75グラム経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」という検査で調べることができます。

75グラム経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の見方

  • 140mg/dL未満:正常値
  • 140mg〜199mg/dL:境界ライン(糖尿病予備軍)
  • 200mg/dL以上:糖尿病型

※ブドウ糖を飲んだ後に血糖値を測定します。

糖尿病が気になる方は病院で検査を受けてみることをおすすめします。
健康診断で糖尿病の再検査が必要になった場合や、自覚症状で来院し、医師が精密検査を必要だと判断した場合は、保険が適用されます。
そうでない場合は、保険が適用されない自費診療となります。
例えば、75グラム経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)は、2000円から3000円くらいで検査している病院が多いようです。
しばらく健康診断を受けていない方は、お近くの病院で確認してみてはいかがでしょうか。

【国立国際医療研究センター糖尿病情報センター】
参考:糖尿病は早く見つけましょう
↑糖尿病の詳しい診断基準や具体例がわかりやすいです。
参考:糖尿病と関連する検査
↑糖尿病の検査方法の種類が豊富に紹介されています。

糖尿病の予防と治療

糖尿病の予防と治療
糖尿病の予防法/治療法としては、食生活運動習慣の改善が重要です。
食生活と運動習慣を改善しても血糖値が下がらない場合は、注射で対処する必要があります。
薬や注射を使う場合も、食生活と運動習慣の改善を同時に進めることが多いです。

ここからは、日本糖尿病学会の糖尿病診断ガイドラインの内容を基に、予防および治療のための方法をご紹介します。

食生活の改善

必ずしも「糖尿病=甘い物のとり過ぎ」というわけではありません。
上述したように、遺伝的にインスリンの分泌に問題がある場合もあります。

しかし、「甘い物のとり過ぎ」が、糖尿病リスクを高める重大要因であることは間違いありません。
インスリンの分泌に問題がなくても、ブドウ糖をとりすぎていると、体内で処理しきれなくなってしまうからです。

糖尿病の予防と改善に推奨される食品

  • 食物繊維
  • 未精製穀類
  • 低GI食品
  • 緑色野菜

続いて、上記の食品について、もう少し詳しくご紹介します。

糖尿病の発症を低減させる食品

食物繊維緑色野菜魚類には血糖値の上昇を抑える働きがあるという統計データがあります。
逆に、肉類や、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、糖尿病の発症リスクを高める傾向があります。

糖尿病と低GI食品

GI(Glycemic Index)とは、食品別に食後の血糖値の上昇量と速度を評価した指標です。
低GI食品とは、血糖値の上昇がなだらかで、逆に高GI食品は血糖値が上昇しやすい食品のことです。

具体的には、下記の食品が低GI食品です。

  • 野菜(イモ類を除く)
  • 果物(スイカを除く)
  • 全粒穀物
  • 豆類
  • ナッツ類

参考:「低糖質食品」と「低GI食品」は異なります。
「低糖質食品」は糖質の少ない食品で、「低GI食品」は血糖値が上昇しにくい食品です。
例えば、フルーツは果糖(=糖質)を多く含むので、「低糖質」な食品ではありません。
しかし、果糖による血糖値の上昇率は低いので「低GI食品」です。
簡単に言えば、糖質の量に着目したのが「低糖質食品」、糖質の質に着目したのが「低GI食品」です。

運動習慣の改善

糖尿病の改善には運動習慣も重要です。
適度な運動は、インスリンの分泌・働きを活発化させます。
つまり、カロリー消費とは関係なく、運動自体が糖尿病の改善につながるのです。
激しい運動をする必要はなく、軽いウォーキングなどで十分です。

ただし、次の過体重に当てはまる場合は、減量目的での運動が推奨されます。

過体重の改善

肥満気味の人は、痩せている人よりも糖尿病を発症するリスクが高いです。
一般的に、BMIという数値を使って肥満度を判断します。

BMI=体重kg÷(身長m×身長m)
例)体重60kg、身長160cm(=1.6m)の場合
60kg÷(1.6m×1.6m)=23.4

体型 BMI値
痩せ型 18.5未満
適正体重 18.5~25
肥満型 25以上

肥満気味の方は、食事の摂取カロリーを減らし、定期的な運動で消費カロリーを増やすように努力しましょう。

まとめ

糖尿病/高血糖で処方される血糖値を下げる薬や注射を使っている方は、モリンガを飲んでいるとさらに血糖値が下がってしまう可能性が0ではありません。
モリンガを飲んでいる場合は必ず担当医に相談して下さい。

糖尿病/高血糖の疑いを持っている方や、しばらく健康診断を受けていない方は、近くの病院で検査することをおすすめします。

病気は発病する前の予防と早期発見が重要です。
この機会に、食事や運動など生活習慣の見直しと健康診断(人間ドック)を通して、身体のメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか。

糖尿病や糖尿病予備群の方は、下記の方法で改善に取り組みましょう。

  • 食事を改善する
    • 食物繊維
    • 未精製穀類
    • 低GI食品
    • 緑色野菜
  • 運動習慣を取り入れる
  • 過体重を改善(ダイエット)する