便秘は症状によって大きく3種類に分けられます。
それぞれ原因が異なるので、対処方法も異なり、間違った方法で改善しようとしても、残念ながら効果はあまり期待できません。
ここでは、まず便秘の原因と対策を解明していきます。
便秘を改善すると、スッキリ感はもちろん、美肌効果やダイエット効果も期待できます。
この記事を参考にして、体の中からきれいにしましょう!
便秘の症状をチェック
まずは便秘の症状を確認しましょう。
日本大腸肛門病学会の定義を参考に、本当に便秘であるかチェックしてください。
便の回数は個人差があり1日3回から3日に1回までは正常とみてもいいです。
引用元: 日本大腸肛門病学会「便秘について」
1週間の便の回数が3回未満の人は便秘といえます。
また、下記のうち2つ以上の症状が頻繁にある人も便秘といえます。
- 便が硬い
- 便が小さい
- いきんでも出にくい
- 残便感がある
- 指でかきだす
便秘に該当するようでしたら、次に便秘の症状から原因を探ってみましょう。
便秘の症状は3種類
便秘はその症状によって、大きく3種類に分けることができます。
症状によって対処の仕方が変わってきます。
また、はっきりと症状がある人もいれば、複数の症状があてはまる場合もあるでしょう。
厳密にひとつに絞る必要はないので、あてはまりそうな症状を考えてみてください。
弛緩性便秘
弛緩性便秘は、ぜん動運動(腸の動き)が弱く、結腸で便を送り出せなくなり、便秘になってしまいます。
簡単にいうと、本来であれば腸内を流れていく便が、途中で動かなくなり、詰まってしまう便秘です。
腹筋の圧力もぜん動運動に影響するため、一般的には男性に比べて腹筋の弱い女性のほうが、便秘になりやすいです。
また、生理前の女性はホルモンバランスが崩れやすく、その結果としてぜん動運動が弱くなりやすいです。
(イギリスのデータでは、男性に比べて女性の方が2倍の割合で便秘に悩んでいるそうです。)
弛緩性便秘の症状は、「何日も便が出ない」という傾向があります。
弛緩性便秘の方は、食生活や運動習慣などを見直すと改善される場合が多いです。
けいれん性便秘
けいれん性便秘は、ぜん動運動(腸の動き)が激しく生じ、腸がけいれんを起こしてしまい、その結果として便が送り出せなくなります。
さきほどの弛緩性便秘とは逆で、ぜん動運動が強すぎて便秘になってしまうのです。
自律神経の乱れやストレスが原因のことが多いです。
けいれん性便秘の症状は、「いきんでも便が出にくい」や「残便感がある」などの特徴があります。
ストレスの多い生活を送っていると、けいれん性便秘に悩まされる傾向があります。
そうはいっても、完全にストレスのない生活を送るのは難しいかと思います。
毎日の中で少しでもリラックスする時間をつくったり、就寝前にゆっくりお風呂に浸かったり、ゆとりのある時間をちょっとずつ取りいれてみましょう。
直腸性便秘
直腸性便秘は、前のふたつとは異なります。
便が直腸まで送り出されても、便意が起きない便秘です。
弛緩性便秘やけいれん性便秘は途中で便が詰まるのが原因です。
一方で直腸性便秘は便が流れても、最後の最後で排泄できません。
自律神経が乱れたり、トイレに行くのを我慢したりして、排便リズムが崩れることが原因です。
症状としては、「腹痛」や「お腹の飽満感」を感じる傾向があります。
どうしても忙しいと、行きたい時にトイレに行けないことってありますよね。
忙しい朝に時間をつくるのは難しいかもしれませんが、便意がなくてもトイレに行く習慣をつくってみるのがおすすめです。
はじめのうちはなかなか改善しませんが、しばらくの期間を繰り返していると、朝の排便リズムが戻ってくるでしょう。
便秘の原因
症状別に原因と対策を簡単に紹介しましたが、まだ納得のいかない方もいるかもしれません。
便秘は複合的に症状と原因が重なって起きていることもあるので、症状や原因をひとつに絞るのは難しい場合もあります。
ここで便秘の原因について、まとめてチェックしてみましょう。
イギリス、スコットランドの国民保健サービス(政府機関)NHSは便秘の原因について、下記のように発表しています。
あてはまるかどうかチェックしてみてください。
正確な原因を特定するのは難しいが、下記のいくつかに該当すると便秘の原因になりやすい。
- 果物、野菜、シリアルなどの食物繊維を十分に摂取していない
- 食生活の変化など、日常生活や生活習慣の変化
- トイレ使用時のプライバシーが保たれていない
- 便意の衝動を我慢した
- 運動不足
- 水分の不足
- 高体温
- 太り過ぎ、痩せすぎ
- 不安やうつ病
- 性的虐待、暴力、トラウマなどによって引き起こされる精神的問題
いくつあてはまったでしょうか?
食生活や運動習慣は意識的に行動すれば改善しますが、精神的な原因はなかなか改善するのが難しいかもしれません。
もちろん上記の原因をすべて完璧に改善する必要はありません。
便秘は0か100というふうに、はっきりと分かれているわけではないです。
便秘率という言葉はありませんが、仮に便秘率100の人が食生活を少し改善すれば、便秘率60になるかもしれません。
すると、症状としてはかなり楽になりますよね。
一度に100から0に改善するのではなく、できる範囲で少しずつ改善していきましょう。
モリンガの注意点
ここまで症状別の対策や改善すべき原因について紹介してきました。
この記事を読んでいる人の中には、食生活の改善のためにモリンガを利用している方や、利用しようと思っている方もいるかと思います。
ここでは、モリンガを利用する前に知っておいてほしい3つのことを紹介します。
便秘の原因をチェックする
モリンガは食生活の改善に役立ちますが、直接的にストレスをなくすわけではありません。
モリンガは補助的に健康をサポートする食品です。
たとえば、直腸性便秘の原因は自律神経の乱れや生活リズムの乱れです。
朝の時間が忙しく、便意を我慢して、排便の伝達経路が鈍くなってしまったために起きる場合もあります。
モリンガで一時的に良くなったとしても、根本的な原因を解決しない限り便秘はなくなりません。
生活リズムの乱れや極度のストレスを抱えている場合は、その原因を解決できるようにしてみてください。
簡単なことではないので、モリンガなどのサポートを上手に利用して、ちょっとずつ改善していきましょう。
モリンガは薬ではなく食品
モリンガは薬ではなく、健康食品です。
便秘を治すために処方された薬とは違い、人によって合う合わないもあります。
また、薬で排泄をすぐに促すというよりも、栄養素が腸内環境を少しずつ整えていきます。
適切な栄養と生活のバランスを改善することで、ちょっとずつ改善していきましょう。
すぐに解決しようと意気込むと、それがストレスになってしまい、逆に治るものも治りません。
病院での診察も検討する
食生活を改善しても治らない場合は、注意が必要です。
ただの便秘ではなく、大きな病気が隠れている場合もありえます。
一度病院で検査することをおすすめします。
以下の場合は、あまり長く様子をみずに医師に相談しましょう。
- 便秘の症状が続いて毎日の生活に支障を来す場合
- 便に血液が付いたり混ざっていたりした場合
- 腹痛やお腹の張りを繰り返す場合
- 体重が急に減り、毎日気分がすぐれない場合
- 今まで順調であった便通が最近になって便秘ぎみになったり、すっきり出なくなったりする症状が1ヶ月以上続く場合
モリンガの上手な飲み方・食べ方
モリンガにはたくさんの栄養素が含まれています。
どのように飲んでもよいのですが、せっかくなら栄養を吸収しやすい飲み方を実践してみてください。
モリンガティー(お茶)
モリンガ茶は、乾燥させたモリンガの葉っぱをお湯で煮出して飲みます。
モリンガティーのいいところは、水分を一緒に取れるところです。
便秘の改善には水分を多く取ることがとても重要です。
とくに朝起きてから、水分を摂取すると腸が刺激されて排便が促されます。
モリンガ茶を水筒やペットボトルに入れて、いつも飲むお茶の代わりにするのも、気軽にモリンガを飲むことができておすすめです。
モリンガティーの残念なところは、不溶性の栄養素がムダになってしまう点です。
不溶性食物繊維やビタミンEなどは水に溶けないため、モリンガ茶では吸収できません。
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モリンガスムージー
モリンガスムージーはモリンガと牛乳やバナナなどの果物を混ぜて飲む方法です。
モリンガの栄養をまるごと取れます。
朝のすっきり感には、不溶性食物繊維やビタミンEも重要です。
これならば、水分もと一緒にしっかり取れるので、朝スッキリしたい人に一番おすすめの飲み方です。
忙しい朝でも、簡単に栄養豊富な朝食代わりになります。
牛乳とバナナとモリンガのスムージーは、飲みやすくおすすめです。
ヨーグルトにかけて食べるのも、手軽においしくモリンガを食べることができます。
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モリンガのスッキリ栄養素
モリンガは90種類以上の栄養素を含む食品です。
ここでは、朝のスッキリ感をサポートする栄養素を紹介します。
不溶性食物繊維
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維の作用は、ぜん動運動(腸の動き)の促進です。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を含むことで膨らみ、腸内を刺激してくれます。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、名前のとおり腸内で潤滑油のようにゼリー状に溶け、詰まった便をスムーズに流れるようにする作用があります。
便が詰まってしまう弛緩性便秘とけいれん性便秘などの症状です。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維はどちらか一方ではなく、両方とも取ることでより高い働きが期待できます。
クロロフィル
クロロフィルは葉緑素とも呼ばれる物質で、栄養素といっていいのかどうかは判断の難しいところです。
食物繊維の5000分の1ほどの大きさで、腸内のより小さな汚れを絡め取り、排泄させることができます。
整腸作用が非常に高く、ダイオキシン等の有害物質の排出も期待できます。
クロロフィルは腸内の奥深くに溜まった老廃物の排泄も促すので、長年便秘に悩んでいる人にとって嬉しい物質ですね。
マグネシウム
マグネシウムは便に水分を吸収させる作用があるため、腸内で詰まった便を流れやすくしてくれます。
市販の便秘薬にも、マグネシウムを主成分とした薬が販売されています。
ギャバ
ギャバには気持ちを落ち着ける効果があります。
リラックス効果を期待して、極限状況で戦うアスリートが活用することもあるそうです。
ビタミンE
ビタミンEの効果は、自律神経を整える働きです。
自律神経が乱れると、腸内が異常な活動をしたり、排便リズムが崩れたりする可能性があります。
ビタミンB群
ビタミンB群は、自律神経に働きかけて、ぜん動運動(腸の動き)を促進する働きがあります。
まとめ
便秘の原因には、生活リズムや精神的なストレスなどが関係している場合もあります。
生活リズムの見直しやストレスを溜め込まないように、生活環境を整えることも重要です。
朝トイレに行く時間的ゆとりをつくる。
食生活を改善する。
精神的なストレスを取り除く。
改善しない場合は、病院での診察を受ける。
便秘が治ると、体内の余分なものが排出されることで、快活でスッキリとし、気分がとても晴れやかになります。
意気込みしすぎずに、徐々に改善できるようにすこしずつ取り組んでみてください!